平成15年4月1日の省令設置以来、当センターは、「教育重視の研究大学」を憲章に掲げる金沢大学が全学的に取り組まねばならない、カリキュラム、大学評価、そして教育支援システムという三つのテーマについて、研究に基づく開発・推進を行ってきました。「学習意欲を高める授業科目が教育成果全般に及ぼす影響とその評価」など科学研究費補助金(基盤研究(C) 平成20-24年度)による諸研究や、日弁連法務研究財団等の外部資金による研究成果は、センター主催セミナー(年2回)等における報告に加え、TESKライブラリー(既刊3号)として公開しております。この間、ある程度の規模の大学には、使命はそれぞれ異なるものの大学教育の研究を行うセンターが置かれるようになってきました。大学設置基準が求める、教育内容等の改善について組織的な研修・研究(FD:ファカルティー・ディべロップメント)を行うため、専門性を備えた教員を中心に全学的に取り組むことが不可欠であるとの認識が、普及しつつあります。時代が、社会が、大学に対して教育力の向上を求めていることの一つの象徴と言えます。
このような環境下、センターでは、毎週の共同学習会開催(2009年3月末で224回)ニュース発行(同239号)等、FDの日常化のための取組に加えて、新たな学内組織「FD・ICT教育推進室」(平成20年度開設)の企画・運営等を主体的に担ってきました。「FD推進と教育実施・支援モデルの構築」をテーマにセンターが主催しました、本年2月の第6回大学教育セミナーは、学内外から160名を超える参加者を得ました。本学のアカンサスポータルを中心としたICT教育・学習支援に、多くの人々の関心と期待が寄せられています。
さて、昨年12月の中教審『学士課程教育の構築に向けて』答申において強調されたように、大学における教育力向上の取組には、他の大学等とのネットワークが重要です。当センターでは、北陸地区国立大学連合(平成14年12月協定締結)により、富山大学、福井大学および本学の教員が協力しあって担当する、「北陸学総論」を科目開発し、またいわゆる戦略的大学連携GPに採択された大学コンソーシアム石川加盟高等教育機関を中心とした合同FDの企画に主体的に携わっています。さらに、今年度より、日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(事務局:筑波技術大学)の連携機関となり、多様な学生に対する適切な支援の在り方の探求にも精力的に取り組んでいます。
こうしたセンターの活動は全て、教員が授業をしやすくなり、それが学生の学習成果に結びつくことが目的です。その前提として、本学の教員や学生が何を求め何を考えているかを知るために、FDに関する教員アンケートや、学生の学習状況・学士力についての調査を継続的に実施し、その分析結果を公表しています。今後も学内共同教育研究施設のミッションとして本学教員・学生のニーズに的確に応えた教育改善提案および実行支援を行うとともに、そこで得た知見や研究成果を、大学教育学会等を通じて広く日本の他大学等のFDにも提供できるようなセンターを目指していきたいと考えています。これまで同様、皆様方のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。
2009年6月


















